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仮想通貨だけじゃない!ブロックチェーンの新しい可能性を開いたFactomとは

ビットコイン2.0という言葉をご存知でしょうか?

後ろについている2.0という言葉には「次世代」や「新バージョン」といった意味があり、ビットコイン2.0とは次世代のビットコインということですね。

といっても、新しいビットコインという意味ではありません。


別名ブロックチェーン2.0とも言われているように、ブロックチェーンの技術を応用して通貨以上の機能を持たせた、進化したブロックチェーン全体をさす言葉です。

今回はその数あるビットコイン2.0のうち、Factomをご紹介していきましょう。

Factomとは

Factomは決済手段としての仮想通貨の機能の他に、ブロックチェーンの『改ざん不可能性』を利用して、電子データを記録するセキュリティシステムを提供するプラットフォーム全体を指したものです。

このFactomの仮想通貨「FCT(ファクトイド)」という名称で呼ばれます。

Factomが作り出された目的

ビットコインのブロックチェーンは仮想通貨での決済に特化していて、さらに拡張性・柔軟性に欠けているという短所があります。

Factomはここに機能を拡張する目的で作られたプラットフォームです。

要するに、ゲームのModのようなものです。

「このゲームすごいって言われているけど、ここの部分なんか不便じゃない?」
「…便利に使えるようにしてみた。」

のように、

「ビットコインってブロックチェーンすげーとか言ってるけど、
決済しかできないとか不便じゃない?」
「…別のことにも使えるようにしてみた。」

というような経緯でできたのがこのFactomです。

Factomと仮想通貨1

具体的には、改ざんが不可能であるブロックチェーンに、貸付記録・証券・保険・権利書などのありとあらゆる書類をハッシュ値を記録することで、

「ある書類がある時点で存在した」ことを証明する(Proof of Existence)こと

を目的にしています。

Factomの特徴

Factという言葉でもわかるように、「事実」=証券や権利書などの特定の事実の証明である公証になるのでは、と注目されています。

従来の方法で書類をサーバーに保管するとなると、保管される書類の規模が大きくなればなるほど膨大なコストがかかることになり、また一か所でデータを保存しているため何かトラブルが起きた際には大きな損害を被ることになります。

これがFactomを使うことにより、一部の中央となるサーバーではなく、世界中の分散されたビットコインのブロックチェーンで処理し、分散したサーバーに保管することで、書類保管の

・安全
・高い透明性
・大規模
・低いコスト

を実現することができるのです。

Factomの仕組み

上記で示したように、Factomはビットコインのブロックチェーン上にBTCの取引以外の情報を記録して保存できるシステムです。

しかし、ここで問題が発生します。

1.マイナーへの手数料が大きくかさむ
2.1ブロックの承認に10分かかるので膨大な時間がかかる
3.ビットコインのブロックチェーンの処理が追いつかない

そのためFactomでは次のような対策をとりました。

Factomは、書類などの情報の処理をすべてブロックチェーンに任せるのではなく、一部をブロックチェーンの外にある複数のサーバーで処理する「オフチェーン」を二つ用意しました。

この二つのオフチェーンを、それぞれ「Entry Block」と「Directory Block」と呼びます。

書類が入力されるたびに、Entry BlockからDirectory Blockへと進行していき、整理・暗号化されます。

最終的にビットコインのブロックチェーン上に記録されるのは、「暗号化された処理したという情報」です。

要するに、

直接書くと「コストがかかる」「時間がかかる」という理由でやっていられないので、別で処理して暗号化された処理情報だけをビットコインのブロックチェーンに書くことにしたよ。

ということです。

Factomと仮想通貨2

また、2016年9月にはイーサリアム上でも利用が可能になり、さらなる分散化によるセキュリティの向上、そしてイーサリアム特有の処理速度の早さによる利便性の向上を実現しています。

ただ、イーサリアムも「あらゆるアプリケーションのプラットフォーム」を目指して開発されているのでイーサリアム内での完結が可能なのでは、とも思ったりもします。

仮想通貨としてのFactom

Factomの仮想通貨には、FactoidとEntry Creditという2つが存在します。

マイナーへの報酬として支払われる基本的な仮想通貨はFactoidです。

しかし、このFactoidを料金として消費し、Factomの記録保存機能を利用したい場合はEntry Creditに変換されて使われます。

なぜこんな面倒な仕組みになっているのでしょうか?

Factomと仮想通貨3

FactoidのEntry Creditへの変換は不可逆的であり、元に戻すことはできません。

またFactoidをEntry Creditに変換する際には、
「変換したいFactoidの量」と
「Entry Creditを受けとる人の公開鍵」
の情報が紐付けられて処理されます。

これにより、

・他の公開鍵の人に送信されず、通貨としての価値はなくなるので盗んでも意味がない。

・Entry CreditはFactoidの価格変動に影響されないため、クレジットカードから現金払いで入手する事により、安定してFactomを利用することが出来る。

というメリットがあるのです。

しかし、これは裏を返せばFactoidという仮想通貨はFactomの利用料金でしかなく、決済用として使える通貨ではありません。

なのでその価値を担保するのはFactom自体の価値になるわけですが、如何せん開発スピードが遅いのが気がかかりです。

また、「ブロックチェーンを書類の記録に利用する」というアイデアは画期性で注目を集めてアルトコイン上位に食い込んでいますが、これは一際投機の影響が強いものだと考えるべきです。

これまでの価格変動は、

・仮想通貨の認知度が上がったことによる暴騰と暴落
・ビットコイン価格の上昇による高騰
・中国のICO規制による仮想通貨全体の価格の低下

など、FCT自身がというよりも仮想通貨全体の環境の変化の煽りを受けて変動したようなものがほとんどです。

さらに、対抗馬としてNEMのブロックチェーンを利用したApostille(アポスティーユ)が早い開発スピードで追い上げてきています。

これの認知が広まっていけば、FCTの価格にも影響してくることは間違いないことでしょう。

Factomのメリット・デメリット

以上でFactomの概要を説明してきましたので、ここでFactomのメリット・デメリットをまとめてみましょう。

Factomのメリット

Factomを利用する上で一番のメリットとなるのが、やはりその安全性にあるといえるでしょう。

ブロックチェーンの改ざん不可能性と透明性をふんだんに活用し、重要書類の保管を高い機密性を保持したまま行えるのは大きな強みです。

補足しておくと、ブロックチェーンに記録するのはあくまで「ある書類がある時点である場所にあった」という存在証明であり、書類の中身ではありません。

「内容の機密性」と「存在の透明性」を両立させるというアイデアは実に画期的なものです。

Factomと仮想通貨4

また、仮想通貨のハッキング耐性も大きな特徴です。

一般的な仮想通貨のリスクとしては、取引所などのオンラインに通貨を一時的でも保管しているところに、ハッキング攻撃されて盗まれるものがあります。



Factomの仮想通貨であるFCT(Factoid)は、良くも悪くも決済に利用されるものではありません。

あくまでFactomというシステムの利用料金なので、FCTをオンラインにさらす機会が少ないのです。

重ねて利用料金として消費する時にはEntry Creditという売却不能な通貨に変換される仕組みが、ハッキングに対してFactomが強い理由の一つになっています。

Factomのデメリット

Factomの仕組みを説明しているときに、
「ブロックチェーン外のオフチェーンで処理している」
という記述がありました。

実は、これはFactomを記録保管プラットフォームとして成り立たせている根幹であると同時に、デメリットの裏返しでもあります。

Factomのオフチェーンを行っているのは”Factom Inc”が管理する複数のサーバーです。

つまりオフチェーンを利用している限り、ブロックチェーンの大きな利点の大元である「分散管理」が損なわれているのです。

Factom Incが健全に存在している間は問題ありませんが、もし何かあったときにはFactom自体の存立に関わってきます。

当然、セキュリティー的にも一定のリスクを孕んでいることも挙げなければなりません。

また、書類の保管をブロックチェーン上で行っているわけではありませんので、ここにもセキュリティーリスクが存在しています。

Factomと仮想通貨5

Factomはどのように使われている?

このように大きなデメリットも抱えているFactomですが、従来の書類保管方法に比べて大きな安全性を誇っているという事実は変わりません。

実際に、この安全性を評価されて導入・活用されている例も多くあります。

最後に、そのうちのいくつかを紹介して終わりにいたしましょう。

ホンジュラス政府の土地権利記録

2015年5月にFactom Incとホンジュラス政府が、土地権利記録を高いセキュリティーで保管する技術開発を行うことに合意しました。

ホンジュラスは人口が800万人。

殺人事件の割合が世界一の貧乏国家です。

当然、国庫もデータベースのセキュリティーに予算を出す余裕はなく、土地権利の記録のハッキング被害が多い状態でした。

そこでFactom Incのブロックチェーン技術を使い、半永久的で安全な土地権利記録の保管する試みが続けられています。

証券取引の記録

膨大な金融データとアプリケーションを提供するIntrinioとFactom Incが手を組み、証券取引の記録をFactomで保管するプロジェクトが2016年の8月にスタートしました。

3000銘柄もの米国株式の価格データ・取引記録を、ブロックチェーンの改ざん不可能性を利用して安全に保管する大規模な計画です。

Factomの二大プロジェクト

Factom Harmony

これはFactom Solutionsが独自に発表したパッケージ製品の一つで、大きな注目を集めています。

この製品を利用すれば、あらゆる住宅ローン情報を安全なFactomのデータベース上に記録することができます。

対象となるアメリカの住宅ローン市場は、実に1兆5千億ドル(日本円で約160兆円)!

いかに壮大な計画なのか、お分かりになると思います。

DLOC by SMARTRAC

DLOC by SMARTRAC(ディーロックバイスマートロック)は、現在Factom IncがSMARTRACと共同開発を進めているプロジェクトです。

DLOC by SMARTRACでは紙ベースの個人情報や医療履歴を、「Dlocステッカー」というバーコードのように表示できるものに取り込みます。

一度取り込めば、病歴やアレルギーなどの個人情報を、Dlocステッカーを読み込んで一括で把握できるという優れものです。

もちろんブロックチェーンによる改ざん不可能性により、安全に保管されます。

データそのものは特定のサーバーに保管される点でセキュリティのリスクがあるものの、実用化されれば医療の現場に画期的な変化をもたらす事でしょう。

Factomまとめ

如何でしたでしょうか?

仮想通貨は「仮想」という言葉が持つように、ネット上の取引で世間を大きく騒がせてきました。

しかし、その影響が現実世界に表れてきたケースはそう多くはありません。

そんな中、Factomはブロックチェーンの技術を大きく活用し、不十分ながらもその利点を現実にある既存のシステムに融合させることができた珍しい例だといえるでしょう。

現在はイーサリアムやNEMのApostilleなど、ビットコイン2.0の舞台に役者がどんどん乗り込んできています。

これからの仮想通貨は、こういった通貨以外の機能や役割を加味した観察が重要になってくるのは間違いありません。

それでは、

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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