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イーサリアムのICOの未来のために…The DAO事件から見えてくるICOの見極め方とは?

イーサリアムのICO0

過去に世間を大きく騒がせた「The DAO事件」

イーサリアムの分裂や仮想通貨市場全体を震撼させたことから「第二のMt.Gox事件」と呼ばれ、大きな波紋を呼びました。

その事件の衝撃もさることながら、The DAOの構想自体も革新的なものであったことも注目を集め、イーサリアムのプラットフォーム上のICOで巨額の資金の調達に成功しました。

ゆえに、イーサリアムのICOといえばこのThe DAOであったと言っても過言ではありません。

補足をすると、仮想通貨を通じたクラウドファンディングのようなものであるICO(Initial Coin Offering)は、IPOに替わる次世代の資金調達方法として注目を集めています。

この革新性、有効性については以前書いたこちらの記事でお話した通りです。



一方で、その拡大のスピードに各国の法整備が追いつかず、詐欺案件やハードルの低さが問題になっています。

The DAOも内容は素晴らしいものであったとはいえ、セキュリティー意識の甘さを放置してしまったことで大きな事件に発展しました。

今回はこのThe DAO事件を今一度振り返ってみて、現在、そして未来に活発になるであろうイーサリアムのICOについてお話ししていこうと思います。

The DAO事件の全貌

イーサリアムのICOに限らず、ICOに投資をする際には、

どんな理念があるのか。

従来のサービスで満たせなかった穴を埋める事が出来るのか。

どんな技術で実現するのか。

信頼出来るのか。

といった視点で評価してお金を資産を投じる事が大切です。

もっと言うならば、利ざやを得る為だけにICOに投機するのはおすすめできません。

むしろ、ICOするプロジェクトの未来に賭ける気持ちで投資しましょう。


イーサリアムのICO1

今回はイーサリアムのICO では一番有名だと思われるThe DAOをケーススタディーにして考えてみます。

The DAOの理念

まずは理念を見てみましょう。

現在は存在していませんが、The DAOの公式ホームページには以下の目的が掲げられていました。

『他人の介入が不可能な分散型プログラムにより、ビジネスユースに新しい風を吹き込む』

あまりにも抽象的すぎるので具体的に言うと、

『The DAO』とは分権型自律組織の投資ファンドであり、起業家への投資をトークンを所持しているユーザーの投票によって決めるというプロジェクトでした。

これが実現されれば、これまで中央集権的な組織でしか運営されてこなかった投資ファンド組織が、

「フラットに」しかも「自律的」に動くようになる。

これは「組織」という概念を覆す革新的なアイデアでありました。

『DAO』の何が革新的なのか

この流れで、このサービスがどんな画期性を持っていたのかも確認しましょう。

The DAOのDAOとは
「Decentralized Autonomous Organization」
の頭文字を取った略語です。

直訳すると、
「分権的な 自律性のある 組織」
ですね。

サラッと書いてありますが、これは従来の組織の常識を覆すことです。

今までの歴史において、人類は効率の良い集団を作り、それを維持してくることで進歩してきました。

狩猟・採集
農耕・牧畜
生産・販売
そして文化

ヒトが人たるゆえんを作ってきたのは、すべて人間が作った組織であり、ひいてはその組織が織りなす社会です。

その組織は「誰かがトップにいて成り立つ」という絶対の法則でした。

つまり、組織というのは必ず「中央集権的」でなければならなかったのです。

ではDAOはどうでしょう?

「分権的」で「自律した」パブリックな組織

そんな組織はこれまでの人類史上存在したことがありません。

例え作ってみたとしても最終決定責任者が存在しないので、組織として成り立ちません。

しかし、イーサリアムのブロックチェーン技術を応用すればそれが可能となったのでした。

イーサリアムのICO2

これまでの社会が持っていた常識を覆すものとして、人々はこの計画に熱狂しました。

The DAOのプロセス

この理想の世界をThe DAOはどのように実現しようとしたのでしょうか。

分権型自律投資ファンドであるThe DAOに参加したい場合、まずはDAOトークンと呼ばれる独自トークンをETHで購入する必要があります。

この際、支払われたETHはThe DAOのシステム内にあるプールへとため込まれます。

そして、DAOトークンの保有者の投票によって投資をどこに行うかが決められ、プールから一定額の資金が投じられます。

この際、スマートコントラクトによって投資されたプロジェクトの利益の一定額をThe DAOに還元される契約が結ばれます。

この還元された額が、DAOトークン保有者に配当として支払われるのです。

スマートコントラクトというイーサリアムの根幹技術をもっと知りたい方はこちらへ↓

このように、投資のための資金が集められ・管理され・民主的に投じられていく過程において、中央集権的な力をもつ組織は一つも介入しません。

すべてを管轄しているのは、イーサリアムのブロックチェーン技術に基づいたThe DAOというシステムです。

ここには「分権的で自律したパブリックな組織」が確かに存在していました。

それがなぜ大事件を引き起こしてしまったのか。

The DAOの基本的なプロセスは以上に書いた通りですが、ここでもう一つ付け加えられている技術がありました。

それはSplit機能です。

「分割」機能と直訳できるこの機能は、投票後の決定に不服とする場合に活用されます。

不服とする人間がThe DAOに貯めていた資金を切り離し、新しく作成された別のDAO(子DAO)に移すことで資金を手元に戻すことが出来るのです。

もちろんこの機能を実行するためにはDAOの参加者の承認が必要であり、その記録はブロックチェーン上に残されます。

実はこの機能に大きな落とし穴が存在し、後にThe DAOを滅びの道へと誘うことになります。

そしてThe DAO事件へ

このThe DAOの資金プールから子DAOに資金を動かす時のプログラムに脆弱性が存在していたのが、The DAO事件を引き起こした一番の原因です。

攻撃者はThe DAOから資金を動かすときにできる子DAOに不正なコードを埋め込み、Splitの機能が何回もループするように仕掛けたのです。

結果、ループが終了する頃には360万ETHが送られてしまっていました。

当時の価格でいうとなんと65億円です。

この事件の衝撃は凄まじく、

DAOの価格は⅓、

The DAOの資金はイーサリアムのICOで集めていたためETHの値段も半分にまで暴落。

過負荷でPoloniexからETHとDAOが動かせなくなる。

多くの取引所が大混乱。

仮想通貨とブロックチェーンそのものに対する波紋が広がりました。

ここに「攻撃者」を名乗る人物のコメントの要旨を掲載しておきます。

「今回私は正当な操作を行ったことで3641694ETHを手にしたことを主張し、その機会を授けてくれたThe DAOに感謝する。

また、今回の私の行為を“窃盗”と呼ぶ人々に非常に失望している。私は何の犯罪も犯していない。

そのような行為に対してフォークという選択を取ることはイーサリアムに関わる人々の信頼を失うことにつながるだろう。

もし、私が所持する正当なETHに対して、利用凍結などの行為を行った場合、法的措置を行うつもりだ。

今回の出来事がイーサリアムのコミュニティにとって価値ある学習の経験になることを願ってやまない。」

イーサリアムのICO3

予見されていたThe DAO事件

ここで大事なのは、このプログラムの脆弱性の存在を周囲から指摘されていたということです。

ニューヨーク・タイムズは、

ここ数ヶ月の間、コンピュータの専門家の間からイーサリアム・プロジェクトのコードに脆弱性があるという指摘がある

と報道していました。

この専門家達の指摘により、The DAOの人間はバグを把握していたのにも関わらず、なんとそれを軽視していたのです

これが直接の引き金になったのは間違いないでしょう。

また、かねてよりこの事件の発生を予見していた伊藤穰一さんは、

・イーサリアムがビットコインほどセキュリティの検証がなされていなかったこと。
・資金を扱うのに法整備がなされていないこと。
・システム内のバグを修正する難易度が不明
・The DAO内の専門チームがThe DAOシステムのセキュリティ課題を指摘していたのにも関わらず、The DAOプロジェクトの進行を止めなかった。

という問題点を事件発生前に指摘しています。

The DAO事件のその後は…

このThe DAO事件が発生した後、イーサリアムの開発陣が下した決定が大きな波紋を呼ぶこととなりました。

結果イーサリアムは分裂し、イーサリアムクラシックという新しい仮想通貨プラットフォームが誕生しています。

この詳しい経緯については下の記事にて解説しています。

現在は有力なアルトコインの一角を成しているイーサリアムクラシックについてはこちら↓



The DAOはどうなったかというと、プロジェクトは当然のごとく破綻。

coinmarketcap.comという仮想通貨一覧サイトからDAOは消滅し、

The DAOのホームページも閉鎖されています。

まとめ:The DAO事件からの教訓

The DAO事件の被害がここまで大きくなってしまった理由は次の言葉でまとめられるでしょう。

それは一番判断が難しい『信頼』の部分に、専門家が指摘するような「専門的な技術」に関する、「致命的」な欠陥が存在していたことです。

冒頭に挙げた四つの判断要素をもう一度見てみましょう。

どんな理念があるのか。

従来のサービスで満たせなかった穴を埋める事が出来るのか。

どんな技術で実現するのか。

信頼出来るのか。

私の考えですが、上から下にかけてどこに問題点があるかによって被害額が増減します。

まずまともな『理念』がなければそもそも人が集まりません。

人が集まらないのでお金も集まりません。

次に『新しいサービス』でない、つまり何かの模倣であったりすれば、魅力は半減します。

そしてここが大きな壁ですが、『技術的に実現可能』でないと意味がありません。破綻するか、それともそもそも開発する気がないかです。

大きな額を投じる人間はここに注目しますから、この壁を乗り越えないと「競争力のあるプロジェクトだ」と判断されないわけですね。

一方で、個人で投資をしている人々のなかには「技術的な」ことを理解すること自体にもう一つの壁があります。

なのでなまじお金が集まってしまうということはあるでしょう。

最後に『信頼』ですね。

ここが一番判断に苦しむところです。

イーサリアムのICO4

The DAOの場合、

『理念』は素晴らしく、それを実現する手段もある。

実際にシステムを『実現させ』ましたし、多くの『信頼』、つまり資金を集めました。

事件を引き起こしたのは、

「技術的なバグを軽視したThe DAOの態度」

という些細であるようでいて、重大なミスでした。

つまり最後の『信頼』に見えづらい大きな瑕疵があったのです。

これに気づくかどうかは、これまでの彼らの行動・態度から推測して判断するしかありません。

しかも、火種となったのは技術的なバグです。

投資する人間からすれば、正直全部を理解することは不可能です。

ここから得るべき教訓とは、

まだフロンティアであるICOへの投資においては、例え上手くいっているように見えても油断してはならないということ。

多くの資金と支持を集め、順調にプロジェクトが進行しているようでも思わぬところに大きな落とし穴があるかはわかりません。

その気配を察知するために、成長しているICOのプロジェクトであればあるほど、広く・深い情報収集と思考が必要になってくるのです。

実際のところ、The DAO事件も予兆となる情報は表に出ていました。

この情報をキャッチし、その危険性に気付くことが出来た人は何らかの対処を行ったことでしょう。

それにしても、結局The DAOが破綻してしまったことは残念なことです。

バグが発生するのは仕方がありません。
コンピュータプログラムにはどうしてもついて回るものです。

運命を左右したのはそれを軽視したかどうか。

つまり人災の要素が多分にあったのです。

イーサリアムのICO5

もし、致命的なバグも克服して、無事に開発が進められていたとしたら、様々な課題を抱えながらも前進していたのではないか。

その先にある未来はどんなものが有ったのだろうか。

イーサリアムのICOももっと活発になって進歩していたのではないか。

そう夢想してしまうのは私だけでしょうか。

それでは、

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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