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イーサリアムの抱える問題解決の方法とは?開発者が台湾で語った内容を超訳解説

イーサリアムの問題0

11/25日の台湾の首都タイペイにて、イーサリアムの創業者であるヴィタリック・ブテリン氏はミートアップイベントにて、イーサリアムの今後の新しいロードマップを公開しました。

その内容とは、現状抱えているのイーサリアムの問題を解決する具体的な方法を示したものでした。

ただそこで説明された内容というのが、なかなかに専門的なものであったため、日本語のニュースを読んでも難解です

ということで、今回はブテリン氏が台湾で発表した「イーサリアムが抱える問題と解決方法」を初心者でも分かりやすいようにお話ししようと思います。

イーサリアムの4つの問題点

ブテリン氏はイーサリアムが抱えている問題点として、次の4つを挙げました。

1.プライバシーの保護
2.コンセンサスの安全性
3.スマートコントラクトの安全性
4.スケーラビリティ

この中で特にスケーラビリティは喫緊の問題です。

イーサリアムの問題1

スケーラビリティ問題に関しては、ビットコインのハードフォーク&分裂の記憶が鮮明なように、成長する仮想通貨においてはいずれたち向かなくてはならない課題です。

ビットコインの分裂を引き起こしたスケーラビリティ問題についてはこちら↓



当然イーサリアムも全くの例外ではなく、現在イーサリアムは全仮想通貨の中で、全分散型ブロックチェーン以上の取引量を処理しており、さらに去年と比べると10倍もの拡大を続けています。

また、Coinbaseの共同設立者やゴールドマンサックスのトレーダーFred Ethsam氏といった専門家イーサリアムのスケーラビリティ問題を指摘しています。

中でもEthsam氏は、

「イーサリアムのネットワークが数百万人のユーザーが持つDAppsにサービスを提供できるようになるためには、現在の百倍はスケーリングを改善する必要がある。」

と発言しています。

そして実際に、イーサリアムのプラットフォーム上におけるICOの熱狂の煽りをうけ、イーサリアムネットワークの使用料である「ガス」代が高騰したり、取引の大幅な遅延が発生するなどの不具合も発生しているのです。

ブテリン氏本人が語っているように、イーサリアムを将来あらゆるもののプラットフォームたることにする大きな目標を考えれば、処理能力に直結するスケーラビリティ問題は絶対に解決しなければならない大きな課題です。

イーサリアムがプラットフォーム?イーサリアムって仮想通貨のことじゃないの?という方はこちら↓



この解決方法についてお話しする前に、まずは順番通りに先の3つの課題と問題点についてお話ししていきましょう。

その理由は後ほど明らかになります。

新技術でプライバシーを守る

イーサリアムの問題2

ブロックチェーンの大きな特徴として、そのねつ造・改ざん不可能性が取り上げられることが多いですが、もう一つ、取引の「透明性」があります。

これによって不正・不公平な取引を防ぐというメリットがありますが、取引する人間のプライバシーの問題が当然発生します。

ブロックチェーンにおける取引は秘密鍵と公開鍵を駆使した方法によって、安全性が担保されています。

しかし、この方法だけだと公開鍵から作成されたウォレットのアドレスによって送信者を特定する事ができてしまいます。

ブロックチェーンのネットワーク上ではこのアドレスは「仮名」のようなものであり、一般的には特定の個人を特定する事はありません。

しかし完全に匿名ということではなく、司法機関が技術を発達させ、Mt.Gox事件の真犯人を逮捕する手がかりを捉えたということもあり、技術的に不可能ということではないようです。

犯人が捕まるのはいいですが、関係のない一般人の私生活が割れる可能性があるのも事実。

こうして、透明性と引き換えに存在するプライバシーの保護が課題になっているのです。

その解決方法として挙げられたのが次の二つ。

『ゼロ知識証明』
『リング署名』です。

証明情報ゼロで証明できる(!??)

『ゼロ知識証明』
とはその名の通り、

「証拠になるような情報を一切明かすことのなく、第三者に物事を証明すること。」
を指します。

これだけ聞くと訳が分かりませんが、例えばイーサリアムでのETHの送付において考えると、

「送信者、受信者、取引金額の情報を一切明かすことのなく、取引が正当であると証明する。」
ということです。

もっと卑近な例にすると、あなたが18才以上であると証明する際に、身分証も顔写真も住所も名前も全て隠蔽しても、あなたがあなたであると証明することができるのです。

もう魔法以外のなんでもないような気がしますが、これは世界トップレベルの頭脳が生み出した数学に基づくものらしいです。

個人情報が必要なくなるというこの革命的な技術を、イーサリアムは最近のハードフォークであるMetropoliceの第一段階Byzantiumで一部を機能として追加しました。

送り主を分かりにくくするリング署名

イーサリアムの問題3

先ほどのゼロ知識証明でも解説しましたが、通貨の送付の際には秘密鍵と公開鍵を利用した暗号でやりとりが行われます。

この送付の際にデータの署名が行われるのですが、このデータによって誰が署名したものなのかを容易に特定できてしまいます。

この送付の際の署名に一工夫加えることで匿名性を高めようというのが、『リング署名』です。

理論は簡単なもので、

複数の公開鍵を束ね、それを複数の秘密鍵で署名することで、どれが誰のものだったかを分かりにくくすることで特定を難しくさせます。

また利用者は特定のグループに属する訳ではないので、他のグループのリング署名に参加することで、さらに分かりにくくします。

これがリング署名です。

以上の二つの技術を導入することによって、プライバシー問題に取りかかったといえるでしょう。

PoSでコンセンサスを強化する

コンセンサスの安全性とは、いわゆる51%アタックに対する耐性を強化するということでしょう。

コンセンサス=合意、つまりブロックの承認における多数決の合意の正当性を守るためには、51%以上のマイナーのコンピューターが正しい判断をすることを前提にしなければなりません。

逆に言うとこの51%以上の多数決の正当性が確保出来なくなったときに、そのブロックチェーンの信頼性は崩壊するということです。

これを51%アタックと言います。

現在、多くの仮想通貨にて採用されているPoWでは、過当競争によって特定のマイナーの権力が肥大化しやすい現象が起きています。

実際、ビットコインにおいてはあるマイナーのコンピューターのマシンパワーが全体の51%を超えかけたことがあるのです。

この時はマイナーグループの分裂によって事なきを得ましたが、仮想通貨が成長するとこの問題が現実に起き得ることは確かです。

この問題はマイニング方式をPoSに変更することによって大分解決されます。

PoSが持っているメリットについての詳細な解説はこちら↓



新言語でスマートコントラストを確実なものに

マイニング方式の更新であるCasperのアップデートと並んで、ブテリン氏はViperのアップデートによってスマートコントラストの安全性を高めることを主張しています。

Viperとはプログラミング言語のことです。

イーサリアムの問題4

イーサリアムには既に、プラットフォーム上の共通言語としてSolidityというプログラミング言語が存在しています。

イーサリアムでは共通のプログラミング言語を一から構築することで、イーサリアムをあらゆるもののプラットフォームにする事を目指しています。

その言語としてこれまではSolidityが存在していたのですが、今回は新しくViperを採用する事を明言しました。

今のところはどのような立ち位置にあるのかは分かりませんが、このViperの導入によってスマートコントラストの正確性や安全性を高めていくことを目指しているのでしょう。

いくつも解決策があるスケーラビリティ問題

さて、やっと最後に来たのがこのスケーラビリティ問題です。

実はこの問題だけを解決するのならば、単に大きなブロックサイズに引き上げればいいのですが、これを強制的に行うとイーサリアムの理念である非中央集権性を損ねてしまう可能性があるとされています。

これを回避するためには、上の3つの問題が揃って解決されていなければなりません。

この理屈までは追い切れていないのですが、頭をひねって推測すると、

ブロック容量が増える
→イーサリアムプラットフォームで出来ることが増える。
→プラットフォーム上で様々なアプリケーションが生まれる。
→トランザクションが複雑になる。
→プライバシー・コンセンサス・スマートコントラクトの不具合が大きくなる。
→第三者機関が介入せざるを得なくなる。

ということではないかなと考えています。

そういうことなら、まだ複雑かつ規模の大きなことが出来ていない今のうちに解決するのが妥当でしょう。

なにしろThe DAO事件のように、セキュリティーの問題を抱えたままプロジェクトを突っ走らせた結果、ハッカーに攻撃されてプロジェクトもろとも破綻したという苦い経験があるのですからなおさらです。

イーサリアムとThe DAO事件についてケーススタディーをした記事はこちら↓



さて話を本題に戻して、これまでのものと合わせてイーサリアムを改善するのに必要な条件を大きく分類すると次の3つです。

非中央集権の維持
セキュリティーの高さ
スケーラビリティの拡張

これらが同時に満たされないとイーサリアムがあらゆるもののプラットフォームとして花開くことは出来ません。

その中で最終的な解決は最後にされなければならないのはスケーラビリティ問題です。

現在、具体策として挙げられているのは次の二つです。

Plasma
Raiden

どちらも、従来は単に全ての情報処理を一つのブロックチェーンで行っていたところに工夫を凝らした解決策になっています。

サブを用意するPlasma

イーサリアムの問題5

Plasmaはかつてビットコインで発表されたLightning Network(上層ブロックチェーンが下部にある主なブロックチェーンと関係しあう)と仕組みがよく似たものになります。

それもそのはずで、Lightning Networkの当の共同創始者であるJoseph Poon氏が協力しているのですから当然です。

おかげさまで名前がどちらもビリビリしてますね。

Lightning Networkでは支払いだけに利用されるように制限されていましたが、Plasmaではイーサリアムのスマートコントラストなどの複雑な処理をこなせるように、システムに応用することが目的になっています。

具体的にはベビーブロックチェーンというものを付属のブロックチェーンとして使い、親となるメインのブロックチェーンと関係することで、Fraud proofという不正を証明する構造で作動します。

Fraud proofとはつまり、「ここに間違い・不正がある」と証明することです。

もし誰かが最初の解決策が間違いだと証明をした場合、他の人達はコンピューターを使い再度計算をしなおしFraudを証明します。

また別の方法として、Fraudの証明をメインブロックチェーンに判断を任せることもできます。

とても簡潔に言えば、
「メインとサブに分けて、合理的に処理を進める」
ということです。

ただしこれは、ブロックの容量を根幹から拡大する訳ではなく、「より多くのブロックチェーンデータの保存可能」にする解決策にはなりません。

そういうことから反対意見もありますが、両者はShardingというプロトコル基盤の容量を増やすことで対処できると考えているようです。

このShardingについては最後に解説します。

第三者を経由させるRaiden

Raidenと何やら和風の格好良さを漂わせていますが、日本は関係ありません。

ビットコインの考案者がSatoshi Nakamotoだからでしょうか?

ブテリン氏は「彼は多分日本人だよ。」と言っているくらいですので、多少意識したのかもしれません。

Raiden Networkはその和風な名前と裏腹に、アメリカの州専用チャンネル(State
channel)を利用して、イーサリアムの決済速度を大幅に向上させることを目的としています。

イーサリアム本体のブロックチェーンには負担をかけずに、別レイヤーの構築を予定したもので、

イーサリアムの送金、取引が一秒以内になることが期待されています。

公式のサイトでは、Raiden Networkのメリットとしてこのように説明されています。

拡張性: 取引数に応じた線形スケール(毎秒100万以上のトランザクションが可能)
高速性: 取引の認証と完了が一瞬
秘匿性: 個々の取引は公開台帳に記録されない
相互運用性: Ethereumの標準化されたトークンAPIとの連動
安い手数料: オンチェーンと比較して100万分の1以下の取引手数料
マイクロペイメント: 安い手数料により実現する超少額支払い

これにより、大きなメリットとして挙げられる「秘匿取引」や「マイクロペイメント」の実現により、ビットコインが目指してきた超少額決済や法定通貨との代替可能性がイーサリアムで可能になります。

具体的な方法としては、

デポジットを利用した二者間のペイメントチャンネルを、トラストレス性、つまり相手の信用に基づかない信頼性を保ちながら第三者を経由地として利用し、広範に相互関与させることでRaiden Networkを拡大させる。

というのが大まかな内容です。

この技術によってもたらされる効果として、

・超少額課金システムの実現
→少額経済の拡大
・IOTのM2M(machine to mashine)通信
→自律した機械群の実現
・高速分散型取引所
→セキュリティの確保された取引所

が期待されています。

スケーラビリティを根本解決するSharding

イーサリアムの問題6

さてPlasmaの解説で少し登場したShardingですが、これはもともとデータベースシステム用語で「水平分割すること」を指した言葉です。

イーサリアムにおけるShardingとは、取引情報の承認作業を分割し、さらに分割されたノードが委託することを言います。

現時点において取引情報の承認は全てのノードが計算をして行っていますが、イーサリアムネットワークがここまで巨大化すると取引の遅延が引き起こされるのは仕方がありません。

取引情報の承認?何の計算?という方はこちらで解説しています↓



もともと一つだった取引情報が分割され(shards)、それぞれに対してノードが計算を行っていくことによって、shardsが同時平行で処理されていくので大幅なスケーラビリティの拡張が期待出来るのです。

これはメインブロックチェーンの変更をすることなく、サイドブロックチェーンのアップグレードで対処できるものであり、

スケーラビリティの拡張度も、ネットワークが巨大なイーサリアムならVISAを凌駕するのではないかとも言われています。

ただ、Shardingは理屈は簡単ですが技術的に乗り越えなければならない壁が高く、早急に行えるものではないとされています。

実装をするにしても、ShardingをよりシンプルなものにできるPoSの導入を待たなければならないでしょう。

だからこそのPlasma、Raidenです。

しばらく取引の遅延などの喫緊の問題に対しては、根本的な解決とはならずともこれで耐え凌ぐことで対処するつもりなのでしょう。

イーサリアムの抱える問題:まとめ

如何でしたでしょうか。

今回のイーサリアム開発者であるヴィタリック・ブテリン氏の台湾での発表は、これまで言われてきた課題に対する答えをまとめて出したものでした。

どの課題も超えるべき大きな壁であり、過去には事件の発生によって大きく取り沙汰されるものもありました。

しかし、本人が言っているようにイーサリアムはまだ黎明期と言える時期にあります。

これからインターネットに変わるようなインパクトを世界に及ぼしつつあるなかで、多少の歪みや課題が発生するのは仕方がありません。

むしろ、イーサリアムの開発陣は慎重かつ理性的に動いている印象があります。

一方で、ビットコインは基軸通貨という王者の証を手に入れたというものの、その内実は巨大化したマイナー同士の権力争いが発生しています。

いずれ、イーサリアムが問題・課題を一つ一つ乗り越えていった暁には、ビットコインに代わる仮想通貨界の雄になっているかもしれませんね。

それでは、

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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